トレーニング法 






 アルティメット トレーニング とは 

 筋肉(骨格筋) を肥大させていくうえで、最も科学的根拠、物理的・力学的・解剖学的根拠に
 裏付けされた トレーニングテクニック となる方法で、各主働筋を鍛えていくうえで
 最も効果的、効率的に 集中荷重 という名の ピンポイントな刺激を与える事で、主働筋における
 運動強度は著しく高まり、また 筋にかかる過負荷が集中過重なため 刺激が分散する事がなく、
 無駄が全くないので、短期間で激的なトレーニング効果を発揮しますので、、新たな筋肥大を
 継続的に生み出し続けるといった 生産性の著しく高い 究極の 効かせるトレーニング奥義,、
 効かせるトレーニング法 であります。

 または、最も合理的・科学的 トレーニング法 とも言えます。

 もはや現代においては インターネットや専門誌などの普及によって科学的根拠に裏付けされた
 最も効率的にトレーニング効果を高めるための様々な実験データ、トレーニングの行い方、進め方、
 などが簡単に入手できるようになりました。
 
 それまでは、様々な ●●トレーニング法 などを唱える、提唱する方々がたくさんいましたが、
 それぞれが いまいち説得力のない、根拠のあいまいな、納得のいかない、穴がある、 といった
 不十分なものでした。
 
 そして今、この アルティメット トレーニング (究極のトレーニング法) では、行う全ての各種目に
 おいて 科学的・物理的・力学的・解剖学的根拠に沿った、現段階におきまして 最も正しい方法
 であると考えられる 無駄のない、最も効率的・効果的な 理に叶ったトレーニング法によって、
 完全マンツーマンでの指導で この究極のトレーニング法を伝授させて頂くシステムです。









 初級者

 ファッションのため、または肉体改造 (体質改善・健康増進・リハビリ) のために
 これからトレーニングを始めたいとお考えの方は、まず ムリのない 現時点での
 体力で扱う事の出来る重さで各種目 10回〜12回 を 2〜3セット ずつ
 行っていきましょう。

 各種目の選択は、私がトレーニングメニューを作成し、トレーニング中も終始
 リードして指導させていただきますので、どうぞご安心ください。







 中級者

 スプリット法 (分割法) を用いて、より効率の良いトレーニングを
 行っていきましょう。


 例

 Aコース  Bコース  Cコース  Dコース
月曜日 胸・肩・三頭 胸・二頭筋
火曜日 背中・二頭 休み 背中
水曜日 休み 胸、肩
木曜日 胸・肩・三頭 肩・三頭筋 休み 二頭筋
金曜日 背中・二頭 背中 背中 三頭筋
土曜日 休み 休み
日曜日 休み 休み 二頭・三頭 休み


 これらはほんの一例ですが、このように人それぞれ様々な目的をもって
 トレーニングをおこなっていますので、トレーニングの種目の選択やセット数や
 レップ数、分割方法などが時間の経過 (トレーニング成果) とともに
 バージョンアップしていくために違ってきます。

 このような分割の仕方や重量設定、セット数、レップ数、トレーニングフォーム、
 インターバル (休憩時間) のとり方など全てにわたって指導してまいりますので
 どうぞご安心ください。

 勿論、クライアント様のニーズにおこたえしたトレーニング法を見出すために
 ご意見や、ご要望などには柔軟な姿勢で受け止め、決して押し付けるような強制的な
 指導は致しませんので一緒に考え、話し合いをしていきながら最良のトレーニング法
 を摸索しつつ楽しく かつ内容の濃いトレーニングを一緒に行っていきましょう。







                      
                             
 上級者 (マニア必見!?)
                   
 これだけ情報が氾濫し、とても入手しやすくなった現在、筋肉をより太く
 育てていくには何が大事なのかは、もう皆さんご存知ですよね。

 そう、「適切なトレーニング」、「適切な栄養摂取」、そして 「疲労回復」。

 特に最も重要な要素のひとつである 「適切なトレーニング」、 なかでも筋肥大
 (筋肉を太くすること) についてのお話をしていきたいと思います。

 筋肥大にかかわる重要なトレーニング法にはたくさんの方法があります。

 事前疲労法 ・ スーパーセット法 ・ コンパウンドセット法 ・ トライセット法 ・
 ジャイアントセット法 ・ サーキットトレーニング法 ・ プライオメトリック法 ・
 コンセントリックトレーニング ・ ネガティブトレーニング ・ バリスティックトレーニング ・
 フォーストレップス法 ・ フォーストネガティブ法 ・ チーティング法 ・ X レップ法
 パーシャルレップス法 ・ 加圧トレーニング法 ・ サイズの原理 ・
 収縮の重積論 ・ 全か無の法則 ・ POF理論 ・ ウィダ―原則などなど.....etc
 






       目 次


   1) 補助癖 (ほじょぐせ)

  2) 芝居 (しばい)
 
  3) 空(から) の トレーニング

  4) つぶれ癖 (つぶれぐせ)

  5) スーパー ・ アイソレイティド ・ ハイ ・ インテンシティ ・ トレーニング  (S I H I T) 法

  6) 高強度(ハイ・インテンシティ) とは

  7) 筋肥大を目的としたトレーニングに関する、私の経験的勝手な推測

  8) タコメーターの原理

  
9) N F M (ニューロマスキュラー ファシリテイト メモリー)

  10) 素質、 原理、 科学がどうしたって??








  補助癖 (ほじょぐせ)

 このようなトレーニングテクニックをどの種目で、どのようなタイミングで、どのくらいの
 スピードで、どのくらいの頻度でおこなったら良いのかを実際にトレーニングを
 行いながら指導いたします。

 種目によって、または個人のレベルによっては今、そのテクニックを使わないほうが
 良い という場合も多々ありますので、最近伸び悩んでいるという方はスランプから
 脱出できるかもしれませんよ。

 特に
 補助癖 (ほじょぐせ) がついている方が、非常に多く見受けられます。

 補助というのはケガ防止のために補助者がついたり、挙上者が肉体的、精神的に
 力を出し切り、それでも挙がらなくなった場合に補助者の力を借りてあと2〜3回
 おこなって筋破壊を目指すための手段なのですが、まだ身体的に余力があるにも
 かかわらず、 「もう、自分は限界だ!」 と思い込むためにつぶれる、または
 つぶれた フリ をする方が 
上級者といえども非常に多く見受けられます。

 補助癖がつく原因は初級者の方に対して指導者が妙に、 「ほら、あと3回...!」
 などと言ってメンタル的にまだ未熟なものに対して、あおるようなトレーニングを
 させたりすると (指導者側は良かれと思っておこなっているのだが)、 つぶれても
 挙げてくれる という悪い情報が脳の中にインプットされてしまい、力を出しきる前に
 つぶれてしまうケースがあります。

 また、トップボディビルダーのトレーニングビデオや、なまのトレーニングシーンを
 見ては ゲキ をとばし、フォーストレップスをおこなっている場面に直面すると、
 たいていの方は 「すげぇ〜」、 「格好いい〜」 と思い(?)、 マネをするパターン
 もあります。

 また、これまで補助をつけてトレーニングをおこなった事がなく、一人でトレーニング
 をおこなってきたという方の場合、トレーニング強度を上げる、または追い込むための
 トレーニングテクニックとして、レップの後半にさしかかると苦しくなるため、フルレンジ
 ではおこなえなくなるので、途中からパーシャルレンジによってレップを重ねてから
 そのセットを終了するといったかたちをとったり、フルレンジで挙がらなくなったら
 レストポーズ法を取り入れたり、ドロップセット法を取り入れたりする方が多いと
 思います。

 これらの技法は上手に使うと、とても効果的なテクニックとなるのですが、ひとつ
 間違えてしまうと、そのセットのトレーニング強度を 大きく下げてしまう技法 へと
 変貌してしまうのです。






  芝居 (しばい)

 例えば、肉体的にはまだフルレンジで  “挙がるはず”  であるにもかかわらず、
 精神的 (本能的) に、苦しさから逃れたいために、またはハードトレーニ−ぶりたい、
 格好つけたいために(?)、パーシャルレップに切り替えてレップを重ねておこなったり、
 一度ラックに戻し、レストポーズ法を取り入れたり、使用重量を落とし、ドロップセット法
 を取り入れたりしてしまうと、そのセット (1セット) 中における主働筋の運動強度は
 下がってしまい、目的とする (鍛え上げたい) 筋肉に、筋破壊を促すうえで必要な
 力学的刺激量 が十分に与えられないばかりか、無駄なエネルギーを消費して
 しまったり、目的以外の筋肉や関節、神経系まで疲労させてしまうため、一応
 ヘトヘトに感じたりして充足感は得られるかもしれませんが、完全に的をはずして
 しまったトレーニング内容になってしまうため、目的とする筋肉に対する運動強度が
 低くなってしまう事があります。 

 このように追い込んだトレーニングをしているつもりでも、まだ精神的忍耐力が
 未熟 (心理的限界値が低い) ために自力時において、主働筋に対する十分な
 力発揮 (100%の力) が出せずにいる方が、安易に様々なトレーニング法を
 用いて行いますと、まだ自力で挙がるはずなのに、苦しさから逃れたいために
 つぶれてしまうため、引き続きそこからフォーストレップス法 (補助) や ドロップ
 セット法、 または レストポーズ法 などを用いて追い込んだつもりでいても、
 実は主働筋における運動強度 (刺激のレベル、または生理的限界) が低い
 にもかかわらず、充足感や達成感、全身の倦怠感や疲労感だけはしっかりと
 得られてしまうために、

 「これだけ疲れたのだから自分は主働筋に十分な刺激を与えるほどのハードな
  1セットを終える事ができた!」

  と、勘違いしてしまうような、大変好ましくない現象が起こってしまうのです。

 主働筋における運動強度は低い (筋破壊が起きていない) が、倦怠感や疲労感、
 達成感、充足感だけに酔いしれてしまっているような場合、または単純にハード
 トレーニングをおこなっている フリ をしているような行為を、

 “芝居(しばい)” と呼んでおります。






  空(から) の トレーニング

 この芝居の状態ではいつまで経っても主働筋における刺激のレベルが低いために、
 なかなか筋破壊が促されるほどの刺激がかからずに、筋肉が大きくなっていかない
 といった結果 になるのです。

 では刺激のレベルとはいったいどういう意味でしょうか?

 例えば仮に30sのダンベルを用いてダンベルショルダープレス運動を8レップス
 行うとします。

 はじめの1レップを行う際に、いったいこの30s分の負荷(刺激) のうち、
 何パーセント分の負荷(刺激) が、目的とする筋肉である主働筋にかかっている
 と思いますか?

 その時にできるだけフロントヘッド(肩の筋肉の前部) に、その刺激量のほぼ
 全てがかかるようなフォームと意識をし、また共同筋(握力なども含む) をできるだけ
 参加させずに行わなければ、負荷はドンドン分散してしまい、30s分の
 刺激(負荷) がかからないのです。

 仮に30(s) × 8(レップス) =240  という刺激量を与えればフロントヘッドに
 筋破壊が起きるとします。

 ところが分散してしまったやり方で行ってしまい、その時の刺激(負荷) が20s
 相当分になってしまったと仮定します。

 すると、20(s) × 8(レップス) =160分  の刺激量しか主働筋に与えられ
 ないために、当然筋破壊が促進されないのです。

 したがってハードに追い込んだトレーニングをしているつもりでも、1セット中に
 目的とする筋肉(主働筋) にかかる刺激が過度に分散してしまうために、
 その部位における運動強度(刺激のレベル・刺激の総量) が、低くなって
 しまうのです。

 このように一見、高重量を用いて実際にハードで激しい運動を行っているつもり
 でも、負荷が分散しているために、実はその目的とする筋肉(主働筋)
 に対する運動強度が低いといったような事が往々にして起こります。

 この場合は 芝居 とは違って、実際に全身の生理的限界(肉体的限界) に
 匹敵するような運動量(仕事量) を、こなしているのですが、高重量を扱って
 いるために、そのセットが終了しますと、顔や目が真っ赤になったり、むくんだり、
 頭がフラフラしたりと、かなり激しい疲労感を感じるのですが、運動中の負荷
 (力学的刺激) を過度に分散しておこなってしまったために、主働筋に対する
 運動強度が非常に低く、筋破壊が起きない、イコール 筋肉が太くなっていかない
 といった現象に見舞われてしまいます。

 実際には心理的限界や全身を使った生理的限界まで運動をおこなったにも
 かかわらず、肝心の目的とする(鍛えあげたい) 筋肉の運動強度が不十分
 なため、ハードな運動をおこなったのに主働筋の筋肉は、これっぽっちも
 破壊はされず 元気ビンビン のままのような状態(セット)を、

 “空(から) の トレーニング (見た目ほど中身のないトレーニング)”

 と呼んでいます。

 これじゃ骨折れ損ですよね(笑)


 ですから、ある運動を行う際に、目安としている回数(仮に8レップス) が
 出来たからといって筋破壊が促進するとは限らないため、喜んでいても
 仕方がない場合があるのです。

 その1セット中の内容が最も大事な事であり、単純に、 “筋肥大 = 使用重量” 
 とはならないのです。

 勿論、いくら分散した1セットを行っていたとしても、その分散した1セットの刺激量
 (仮に160) に加算する形で、セット数を増やして行う事によって、その刺激の
 総量 を上げる事も出来ますが、これでは他の筋肉群や神経系、体内のペーハー
 などにおいても無駄に疲労させてしまうだけであり、 非効率的なトレーニング と
 なってしまうのです。






  つぶれ癖 (つぶれぐせ)

 前述したような、

 「苦しくなったら (またはつぶれたら) パーシャルレップ法やレストポーズ法、
  ドロップセット法などのトレーニングテクニックを用いておこなえば (追い込めば)
  いいや...」

 と言ったようなネガティブな心理が知らず知らずのうちに構築されてしまい、
 いつまで経っても ‘最後まであきらめずに粘る’ 事ができるような強い精神力 ・
 集中力 を養う事が出来ずに、すぐに (とたんに) つぶれてしまう  “つぶれ癖”
 が、立派に身についてしまう事があります。

 他にも、いくつものケースがありますが、このように悪い情報が脳にインプットされて
 しまうと、自分自身で全力を出し切ろうとするプラスの良い情報が入力されにくくなる
 ため、いつまでたっても 補助癖 や、 つぶれ癖  ・  空のトレーニング  などは
 改善されません。

 この状態でいくらトレーニングをおこなってもトレーニング強度が上がる事は、

 ありません。


 自分はハードトレーニングをおこなっている、トレーニング強度が高い運動を
 おこなっていると認識されている方には 朗報 です。

 継続的な筋肥大を実現させるには、ただの自己満足トレーニング では
 得られません。

 ただ使用重量 (1RMMaxではなく、4〜12RM挙げられる使用重量) にこだわり、
 より大きなウェイトを持ち挙げる事が複数の筋肉を連動し、目的の筋肉(主働筋)に
 大きな張力 をあたえる事ができる などというような、単純かつ偏った考え方だけを
 持ってはいけません。

 それは腕・足の長さや腱や靭帯の断面積、付着位置、重心や中心軸などが
 そろいにそろったいわゆる 「素質のある体」 と言う状態が出来上がっている方
 でないと、なかなか効力を発揮しにくく、むしろ一歩間違えると大変ケガをしやすい
 トレーニング法になりかねません。

 現にこのような使用重量だけにこだわり過ぎた 張力トレーニング によって、
 肩や肘、手首、腰、膝、首、筋肉、腱、靭帯 などを何度も痛めているという方を
 たくさん見てきました。

 目的の主働筋に対するトレーニング強度が高くないと筋破壊は起こりにくいのです。

 つまり主働筋以外の複数の筋肉(動的共働筋) も使って何キログラム挙げられた
 か ではなく、

 目的の筋肉に、どのくらいの力学的刺激をあたえる事ができたか なのだと思われます。

 つまり目的の筋肉(主働筋) を、よりアイソレイトさせた状態をつくり、他の共働筋
 となる複数の筋肉群には、できるだけ運動に参加させないような 静的筋収縮状態
 を作ります。

 そして主働筋には 
できるだけ集中的な強い張力 (集中荷重) をかけることが
 できるように 
意識して トレーニングをおこなえば良いわけです。

 具合の悪い事に、いちど身に付いた補助癖 ・ つぶれ癖 ・ 芝居 ・ 空のトレーニング
 というのは、なかなか改善しにくいため、多少の時間が必要になります。

 特にトレーニング経験の長い方や、ある程度の大会実績をお持ちの方などは
 改善しにくい事があります。

 自分はこれでやってきたんだ という 固定観念 を抱いている場合がありますからね。

 要は肉体的にはある程度の結果を出したが、精神的には成長しきれなかった
 ということかもしれませんね。

 ただし、継続的な筋肥大を促すには、たとえトレーニング経験年数が20年以上
 あろうと、早かれ遅かれ この補助癖 ・ つぶれ癖 ・ 芝居 ・ 空のトレーニング
 などは必ずや改善しなければ、奇跡でもおこらない限り、これからのさらなる筋肥大
 を促す事は非常に難しいでしょう。

 少なくとも私はトレーニングをおこなっているところを見せていただければ補助癖 ・
 つぶれ癖 ・ 芝居 ・ 空のトレーニング状態 などであるかどうかが、すぐに、
 瞬時に、わかりますので、その場合は改善できるようお手伝いさせていただきます。

 また、本人が、

 「私は超ハードトレーニング、または高強度トレーニング、ヘビートレーニングを
  おこなっているから、ちゃんと目的の筋肉に強い張力をあたえているよ」

 などというような自負を持っておられる方などにおいても、トレーニングをおこなって
 いるところを見せていただければ、本当に目的の筋肉に十分に必要なだけの
 力学的刺激が、かかっているようなトレーニングをおこなっているかどうかを
 すみやかに分析し、もし十分な刺激がかかるようなトレーニング強度にいたって
 いない場合 (低強度状態 または 強度が不十分な状態)、または、
 フォームが原因で目的の筋肉に集中荷重がかかっていない状態

 (主働筋以外の複数の筋肉へ必要以上に力学的刺激が分散しているため、
  おこなっている使用重量に相当した負荷を大きく下まわった刺激程度しか
  目的の筋肉に伝わらないため、同じく強度不足状態になる)

 でトレーニングをおこなっていた時には、より効果的な状態に改善されるよう
 ご説明致します。

 そして改善後、その違いを実感していただき、納得していただけるように
 お手伝いいたします。






  
 スーパー ・ アイソレイティド ・ ハイ ・ インテンシティ ・ トレーニング
  (S I H I T) 法
                                                                                                                                                               
 トレーニング強度を高めるという事は動員される運動単位の数と運動神経細胞の
 発火頻度のレベルを高めるということですから当然、鍛えあげたい筋肉に
 強い張力 がかかる使用重量、または目標設定回数を把握しなければなりません。

 したがってトレーニング法としては基本的にはオーバーロード原則にしたがい、
 毎回のトレーニングで、設定した目標回数がおこなえる使用最大重量をのばして
 いくようにトレーニングをおこなっていくのが ベター でしょうね。

 ただし、ここには皆さんが意外と忘れがちなことが一つあります。

 鍛えあげたい部位に強い刺激をあたえるためには、まず正しいフォームを築き、
 適切な軌道に沿ってウェイトを上げ下げすれば筋肉に強い張力をかける事が
 できます。

 それは確かに間違いではなく通常多くの方々がおこなっているオーソドックスな
 トレーニング法なのですが、このトレーニング法によっていまだに筋肉が発達し
 続けている (筋肥大が今もなお継続的に起こり続けている) という方は、
 そのまま続けていただいてもかまいませんが、いちばん大切な鍛えあげたい
 筋肉の収縮、伸展を
 意識する という事を 忘れがち のようです。

 「なんだ、そんな事かぁ・・・」 なんて思われた方も多いと思いますが、
 実はその 意識レベルの差 に大きな違いがあるのです。

 意識するという事は故意に、意図的に筋肉の収縮やストレッチを助長する
 という事で、特に意図的に意識した収縮 (随意最大収縮) をおこなって
 同じトレーニングをおこなうと、その鍛えあげたい筋肉に対する運動強度が
 大幅にレベルアップ します。

 なぜなら運動神経細胞の発火頻度が大きく上昇するからです。

 運動神経細胞の神経伝達速度は120m/秒 (骨格筋の多くは有髄神経
 のため神経インパルスの伝達速度が速い) だそうです。

 つまり、ステレオの音量窓口の電気ランプのように パパッ と上がったと
 思ったら パパッ と、すぐに下がってしまうくらいに速いのです。

 例えばダンベルベンチプレスを行っていたと仮定します。

 今、胸の上にダンベルがあり、これから挙上します。

 すると運動神経細胞の発火頻度の上昇がおこり、それが筋小胞体からの
 カルシウムイオン放出を促進する事から、その運動単位の発揮張力を増大
 させるため、動作としてダンベルを挙上させる事ができますが、トップポジション
 になると胸(主働筋) の張力レベルが下がるため、あっという間に神経の興奮が
 引いていき、主働筋は弛緩し、ましてや その状態でホールド(休んだり) して
 いたら 主働筋の運動強度は あっという間 に下がっていきます。

 ですからトップポジションでは楽なのです。

 1セット当たりの運動強度を高めるという事は、その1セットが終わるまでの間に
 主働筋に出来るだけ休息を与えてはいけないという事なのです。

 そのため、よくノンロックでレップスをかさねている方もいます。

 これも良いアイデアだと思いますが、さらに強烈なのが現在おこなっている種目に
 おいて1レップ、1レップ負荷の抜けるポジションで約1秒間位、 
意識的に主働筋を
 最大収縮させるのです


 すると神経インパルスの発火頻度の増加がよりいっそう高まり、主働筋がさらに
 強縮状態 をおこしたところに強い張力がかかるので、運動強度が非常に高くなり、
 これまでに感じた事がないくらいの疲労困憊状態と強烈なパンプまたは痛みを
 伴うでしょう。

 この方法を用いることによって1レップ中のストレッチ ・ ミッドレンジ ・ コントラクト
 のすべてのポジションにおいて負荷が抜けるポイントがなくなるために、
 主働筋にとっては1セットを終えるまで休み時間がもらえないうえに、筋肉が強縮した
 ところに張力が激しくかかるトレーニング法なので、はじめてこのトレーニング法で
 トレーニングをされた方は使用重量が一時的に落ちたり、今までのトレーニングとは
 比較にならないくらい効いてしまい、また激しく疲れるので (実際に多くの実践者が、
 鍛え上げたい筋肉にあまりにも効果的な集中荷重がかかった事で、めちゃくちゃ
 効いてしまい、すでにぐったり疲れてしまって、2種目め以降はいつもの使用重量が
 一時的に全然上がらなくなるケースがよくあります) 嫌になってしまったりするかも
 しれませんね。(笑)

 このトレーニング法は使用重量を伸ばして自己満足するトレーニング法ではなく、
 割合的には結果重視のトレーニング法で、しかも通常のトレーニング法よりも
 非常にハードなトレーニングになりますので、とにかく結果 (筋肥大のみ) に
 重点をおかれている方にお勧めです。

 このトレーニング法を用いる際にはまだ、いくつかの重要事項(?)、テクニックが
 必要になりますので、どうしても もっともっと筋肉を太くしたい方、なかなか発達
 してくれない弱点部位を克服したい方、自分はハードゲイナーだから(?)
 なかなか筋肉が発達してくれなくて困っている方、またはこの
 スーパー ・ アイソレイティド ・ ハイ ・ インテンシティ ・ トレーニング
 ( S I H I T ) 法 に興味のある方は、直接 私におたずねください。

 バルクアップにはとてつもなく効果的なトレーニング法です。

 ただし、ヘビーデューティ ・ ハイ ・ インテンシティ ・ トレーニング( H I T )法
 と同様に、 補助癖 ・ つぶれ癖 ・ 芝居状態 があったり (低強度または
 強度不足状態になる)、 主働筋に対するトレーニング強度が低いにもかかわらず
 (負荷の過度な分散により、適当な集中荷重が主働筋にかかっていないため)、
 ただ単に現在扱っている使用重量がヘビーウェイトだからという理由で、
 自分自身では、 「私はハードで、高強度のトレーニングをおこなっている」 と
 勘違いされている方 (空のトレーニング状態) などには期待される程の効果が
 現れにくいので、まずは1セット当たりのトレーニングにおいて全力を出し切る事が
 できるようなメンタルトレーニング(心理的限界値の向上) を実際のトレーニングと
 平行しておこなっていき、それらが適当な状態になった段階で、このトレーニング
 テクニック をご説明させていただきます。

 スーパー ・ アイソレイティド ・ ハイ ・ インテンシティ ・ トレーニング
 ( S I H I T ) 法 は意志の強さが試され、また必要になりますが、
 その効果は 絶大 です。 







  高強度(ハイ・インテンシティ) とは

 このように筋肥大を目的としたトレーニングにおける高強度とは1セット中に
 どのくらい主働筋が活動したか、またはどのくらい主働筋におけるエネルギー(ATP)
 を消費したかという事になります。

 その結果、目的とする部位に筋破壊が起こりやすくなります。

 活動的に主働筋以外の複数の筋肉を動員(連動) してまで重いヘビーウェイトを
 扱わなくても(負荷の分散)、 できるだけ鍛えあげたい部位(筋肉) に集中した
 荷重(集中荷重) をかけてあげれば良いわけで、ジム内で見栄を張るために、
 または ビックリ させるためにヘビーウェイトを扱う必要は 全く無い のです。

 単なる 自己満足の世界 になってしまいます。

 トップクラスのボディビルダーや身近に素晴らしいからだをしているのに、
 「なんであんなに軽いウェイトでトレーニングをしているのだろう・・?」 と
 思ってしまうような方に出会った事はありませんか? 

 それにはちゃんと理由があるのですが話が長くなるのでここでは割愛させて
 頂きます。

 継続的な筋肥大を可能にするためには自己満足を優先してはいけません。

 結果 です。

 逆に言えば継続的な結果(数値や見た目) が得られていればどんなトレーニング法
 でも、かまわないといえますが、できるだけ無駄のない効率的なトレーニングを
 行ったほうが長期・中期(1年または半年) 的に見た時の筋肉の 
発達速度 に
 大きな差 がつき、より良い結果が得られると思います。

 一流のトップボディビルダーと同じ位ヘビーな使用重量を扱えても同じ筋量
 (バルク) がつくとは限りません。

 むしろ同じ位のウェイトでトレーニングをしているのに同じように筋肉が発達して
 いかない とつぶやいている方を ちらほら見受けます。

 原因は何か おわかりでしょうか? 

 そう、 
意識 です。

 意図的に意識して鍛えあげたい主働筋をフルに働かせて (ウェイトをコントロール
 しながらストレッチや場合によってはコントラクトポジションで十分な負荷を感じる事、
 乗せる事、または随意収縮をさせることなど) 行っているかという事なのです。

 勿論、収縮ポジションで随意収縮を意識せずに素晴らしい筋肉の発達を
 遂げている方がいますが (理由がありますが割愛)、この場では一つの
 トレーニングテクニック として考えて頂きたいと思います。

 「そんな甘ったるいトレーニングなんか やってられるか!」 

 と言う方がいるかもしれませんが、前述したように決して楽でもなければ
 甘ったるいトレーニング ではありません。

 むしろ あまりにハードなトレーニングを行っているように見えてしまうと思います。

 要約すると、ただ漠然と理由や原因のわからないまま結果の得られない、または
 年間に得られる筋肉の発達速度が遅いトレーニング を続けていては いけない
 という事です。

 時間 と 労力 と お金の無駄 です。

 しかも目に見えた大きな結果が得られないため、 「私は素質がないんだ」 とか
 「私はハードゲイナーだからダメだ」 とか言って自分を正当化し、トレーニングから
 足が遠のいてしまったり、向上心がうせていってしまう方も出てきます。

 例えば仮に1年間のスパンで見た場合に、無理のない理想的な発達速度で
 継続的な筋肥大が起こっていくような 計画的なトレーニング を行っていく事が
 望ましいのではないでしょうか?

 そのためには 賢くトレーニング を行っていく事です。

 現時点における最も理想的なトレーニングサイクルを組み、回して行く事です。

 当然、体は適応しようとしますから、常にトレーニング種目やレップス、セット数、
 サイクル において マイナーチェンジ を繰り返し行っていく事になります。

 トレーニング強度を上げるという事において 
補助癖 や つぶれ癖 や 芝居
 や 空のトレーニング は 
大敵 ですから、いち早く 改善する事 です。

 これらを常に考えながらトレーニングをしていくのが ボディビル または 
 ボディメイキング なのだと思います。

 私どもはメンバーの方々が、より良い結果を得る事ができるようにお手伝いを
 させていただいております。







  筋肥大を目的としたトレーニングに関する、私の経験的勝手な推測

 よく 「なかなか筋肉が大きくなっていかない」、
    「ここ1〜2年、筋肉が発達した形跡がない」

 などと嘆いている方を見かけますが、まず確実と言って良い程、理にかなった
 トレーニングを行っていないんですよね。

 勿論、これは初・中級者にも言える事なのですが、ここでは主に上級者
 (継続的なウェイトトレーニングを始めて5年以上経ったものとします) を
 対象にして、お話をしたいと思います。

 トレーニング法に関しては S I H I T 法で行うのが私としては 最も良い方法
 だと思いますが、これでは何か漠然としてしまいますよね。

 ただ上述したとおり主働筋に対するフィジカル的な運動強度を上げるという事は、
 負荷(ウェイト) が他の筋肉に出来るだけ分散しないようなフォームや小細工
 (小ワザ) を用いて、主働筋にできるだけの集中荷重をかけてあげれば、
 数値的な使用重量が巨大でなくとも十分に筋破壊を起こす事ができます。

 と言っても決して軽いウェイトで筋肉を発達させる事ができると言っているのでは
 なく、本人にとってはかなりヘビーなウェイトを、むりやりコントロールしながら、
 筋肉の収縮や伸展を意識して行うという方法なので、周りから見たらむしろ
 スーパーヘビートレーニング を行っているように見えると思います。

 例えば50kgのダンベルで ワンハンド・ダンベル・カール をむりやり ゆっくり
 とした動作でコントロールしながら、筋肉の収縮と伸展を意識して行う
 という事です。

 筋肉の収縮や伸展を意識するという事は、個々の筋肉の所在を理解して
 いなければ当然意識できませんから、解剖学などの本をよく読んで確認して
 みてください。






  タコメーターの原理

 運動強度を上げるためのもう一つの要因は、メンタルパワー(精神力 ・ 忍耐力 ・
 高い心理的限界値) です。

 どんなに優れたマシンやトレーニング法( S I H I T も含む) を行ったとしても、
 すぐに諦めてしまうようではトレーニング強度は、筋破壊が起こるところまで
 (レッドゾーンまで) 到達する事ができません。

 自動車のタコメーターに例えてご説明致します。

 仮に6〜8回行う事ができそうな30sのダンべルで、ワンハンド・ダンベル・カール
 を行っているとします。

 そして1レップを1000回転 (タコメーターの 1 のところ) と仮定します。

 そして 3、 4、 5回とレップスが進むと回転数も 3千、 4千、 5千回転 
 と上がっていきます。

 ついになんとか7回(7千回転) まできましたが、レッドゾーンは 8千回転
 からです。

 つまり レッドゾーン まで行けば筋破壊が起こる可能性が少しずつ高くなる
 という事です。

 そこで気合を入れてなんとか8回、意地で上げきりました (自力でめいっぱいの状態)。

 しかし人間のからだは透き通って筋肉(主働筋) に筋破壊が起きたかどうか
 見えるわけではありませんから、確実に筋破壊を起こしたという自負が持てるように、
 ここから もう片方の手を使って補助を行い、さらにレップスを繰り返し続けます。

 そして ついにはトータル12回(12000回転) まで行きましたので、本人は
 さぞかし 満足のいったセットになった事でしょう。


 でもここでちょっと待って下さい!!

 これは一般的によく行われている運動強度の高いハードトレーニングと呼ばれる
 ようなやり方ですよね。

 本当にメンタルパワーをフルに使いきってこの状態なら全く問題はないのですが、
 この場合なんとかやっとで、自力で8回挙げる事ができたという時点で、
 どのくらいメンタルパワーを使いきり、本当の意味での肉体的精神的限界まで
 出し切る事ができたかという事が非常に重要な事です。

 私が言っている 
運動強度の高いトレーニング として1セットを終える という事は
 この部分なのです。

 ここで肉体的にも精神的にも全力を出さずに、あまりに辛い、または痛いために

 「もうダメだ!」 と

 8回で止めてしまい補助をしてしまったら、このセットは強度の低い1セットに
 なりかねないのです。

 これが前述した 
“補助癖” や “つぶれ癖” だったり、 疲れた、苦しい、
 辛い、という状況が 大の苦手 なために、もう挙がらない! ・ もう十分
 限界までおこなった!  などといった フリ をしている (演じている)
 “芝居(しばい)” になってしまっている (辛さからくる、限界に挑む、耐えうる、
 挑戦するために不可欠な、強い精神力、強い忍耐力が、まだできあがっていない
 ために、もう疲れた、苦しい、辛い、限界、の フリ を演じてしまうという意味)
 状態なのです。

 ですから ある人のトレーニングシーンを目にした時に、このような状態だったら、
 私は一緒に側で見ている人などに

 芝居だね!

 とささやきます。

 要は 「あれが芝居っていうもの(状態) だよ」  と教えてあげているのです。

 “トレーニングをしているところを見せて頂ければすぐにわかる” と言ったのは、
 こういった一面 (他にもいくつものポイントがありますが) を見る事で、すぐに
 わかるのです。

 ですからフォーストレップス(補助) をしたからといって、目的とする筋肉に
 強い力学的刺激を与える事ができた わけではないのです。

 大事なのは自力で行える回数を仮に8回までとしたら、その8回までのうちに
 どこまで肉体的精神的限界まで全力をだせたかという事です。

 補助をすれば良いという事にはならないのです。

 全力を出せない人が補助(フォーストレップスなど) を取り入れたりするから
 運動強度が上がらないうえ、補助癖 や つぶれ癖 が身についてしまうのです。

 これは 事実 です。

 ロニ―コールマンだって20年以上トレーニングをしてきて、これまでにフォースト
 レップス を行った事がない と よく言っていますよね。

 2002年のMr.日本に輝いたT選手も年間を通して補助(フォーストレップス) を
 取り入れていない と言っていますよね。

 これが現実であり、強度を上げるための マル秘要素 でもあります。

 自分自身に甘えなくなるのです。

 主働筋の運動強度を上げるには、最も苦しく、つらくなる1セット中の後半に
 なっても、粘り強く、決してあきらめる事の無い、自らに妥協を許さない強い
 精神力・忍耐力をいち早く身につけられるように工夫して行く事が
 重要 なのです。






  N F M (ニューロマスキュラー ファシリテイト メモリー)
 
 では、上記のように芝居やフリになっていなくて、しっかりと最後の8回まで出し切れた
 場合は、その主働筋に対して神経インパルスの発火頻度は非常に高くなり、いわゆる
 筋が強縮状態を起こしている事でしょう。

 つまり、十分な刺激を主働筋に与えられているのです。

 ここでさらに強度を上げたい場合、あげる場合は、X(エックス) レップ などを用いる
 事が多いと思いますが、このXレップを用いる際も、フルレインジで、自力で8回を
 こなしたまでは良いのですが、このXレップになった途端に、気持ちが折れて 芝居、
 または もう限界で、なんとか追加レップを行っているといった フリ状態 になる事が
 非常に多いのです。
 
 このような結末で終わるのであれば、最初から 自力で8回まで出し切って挙げ終えたあと
 止めたほうがマシです。
 
 なぜなら Xレップに入った途端に芝居になってしまったなら タコメーターの原理による
 回転数の低下、つまり、主働筋の神経インパルスによる発火頻度は著しく減退し、
 筋の収縮はほとんど起こらないために 筋への張力も著しく減退してしまいます。

 それにもかかわらず、ただ限界まで行っているといった様子をカラダ全体で動作として
 見せつけている、演じているだけになってしまい、結局はそれが次までの回復を遅らす
 だけで 単に自己満足をしただけの結果に終わってしまうのです。

 仮にXレップ、フォーストレップ、といった追加レップスを行う際は、その1レップ、1レップ時に
 主働筋に対してしっかりとした意識のうえで、過負荷を主働筋に乗せている、張力を感じている、
 収縮を促進している、といった意識があっての追加レップスを行いますと、仮にXレップのように、
 もうフルレインジができなくなり、ハーフレップやクォーターレップになったとしても、その主働筋の
 神経インパルスは、その1セットの自力時の最初の1レップ目に意識して行った時と同じレベルの
 神経インパルスの発火頻度が維持され、それがXレップの最後のクォーターレップの1回でも、
 同じ超高頻度の神経インパルスを送り出す事ができ、よって、そのクォーターレップでも 最初の
 フルレインジでの1レップ目と同程度の最大強縮を維持する事で、最後の1レップまで最大張力を
 主働筋に与える事ができるのです。

 つまり、NFMとは、その1セット目の最初の1レップ目のフルレインジ時に 主働筋に最大の
 過負荷(集中荷重) がかかるフォーム、動作、軌道、呼吸、意識などを確立して行った時と
 同じレベルの張力が、同じ運動神経細胞の発火頻度が、同じ筋の強縮状態が、そのセットの
 後半のハーフレップやクォーターレップといったレインジの短い動作になったとしても、
 同じ破壊率を伴った大きなダメージを最後まで主働筋にかける事ができる 神経のメカニズム
 なのです。

 要するに、見た目上の可動範囲が変化しても、その1レップ1レップの質が全く同じであれば、
 最後まで同程度の張力を主働筋に与え続ける事が可能なのです。
 これが NFM の基本原理です。






  素質、 原理、 科学がどうしたって??

 よくマニュアルではポジティブ(ウェイトを押したり引いたりする動作) 時は、
 遅筋線維が使われ、ネガティブ(ウェイトを下ろしたり戻したりする動作) 時は
 速筋線維が使われると言いますよね。

 実際は はっきりと分かれて使われる事はなく、むしろトレーニングのやり方によっては、
 1レップ目から遅筋線維も速筋線維も同時に運動に参加させる事ができる方法があります。

 有名なところでは初動負荷トレーニング(バリスティックトレーニング) などが
 ありますが、べつにこれは自力で挙げる事ができる目標設定回数を4〜6回に
 設定するだけで同じ事が起こります。

 ただし全力(肉体的精神的限界) で行った結果が、 4〜6回 という事です。

 「自分は遅筋線維と速筋線維のどっちが多いのかなぁ・・・?」

 なんて言っている方がいますが、人は生まれた時は男女を問わずほぼ平均して
 遅筋と速筋の割合は 1:1 だそうです。

 その後(生後) どのような筋肉の使われ方をするような生き方をしてきたかによって、
 その割合が変わってくるのです (後天的なもの)。

 遅筋線維と速筋線維は全く同じ筋線維です。

 違うところは遅筋線維と速筋線維を支配している 神経インパルスの発火頻度 で、
 それによって筋肉の形態や運動単位の大きさ、毛細血管の数などに違いが
 現れるのです。

 遅筋の神経インパルスの発火頻度は遅く、速筋の神経インパルスの発火頻度は
 速いのです。

 そしてこの各々の神経を繋ぎかえる (遅筋についていた神経を速筋につけて、
 速筋についていた神経を遅筋につける) と、遅筋だった筋線維が速筋になり、
 速筋だった筋線維が遅筋になるそうです。

 どうですか?  おもしろいでしょう? 

 つまりその神経インパルスの おお元 はどこだと思いますか? 

 そう、脳です。

 脊椎を通って神経インパルスは脳にたどり着きます。

 したがって4〜6回を全力で挙げる事ができるウェイトを普段から何度も反復して
 行う事によって、脳の興奮レベルが高まり、遅筋を支配していた神経インパルスの
 発火頻度も高まっていく事から、様々な酵素活性が促進し、運動単位の増大という
 適応の結果として、遅筋線維が速筋線維になって行くのです。

 その他にも遅筋と速筋の中間の性質を持った中間筋 (ここではそう呼ぶ事にします)
 も 速筋線維 として変化して行きます。

 こうした現象が前述したような “生後どのような筋肉の使われ方をして生きて
 きたか によって、遅筋と速筋の比率が変わっていく” という成長過程に起こった
 事と同じ現象を引き起こすのです。

 つまり遅筋線維が分裂するかどうかという問題より、遅筋が速筋線維化していく
 事の方が重要なのです。

 しかも S I H I T 法 でトレーニングを行う事で、ただ4〜6回しか
 挙がらないウェイトでへビートレーニングを行うより、神経インパルスの
 発火頻度が高まるので、さらなる相乗効果が期待され、より速筋線維が多い
 肉体 (筋肉が太くなりやすいからだ) になっていくでしょう。

 ですから S I H I T 法 が良いとも言えるのです。

 “全か無の法則 によってこのような事が起こるわけがない” という方が
 いらっしゃると思いますが、だからこそ、全か無の法則があるからこそ
 神経インパルスの発火頻度がとても大事な事であり、 “収縮の重積” 論
 のように、神経の促通性(感度) を高めていかなければ、より高いレベルで
 筋肉の収縮を意識する事 (随意最大収縮や目的とする筋肉に、より集中した
 負荷(集中荷重) をかけること) が難しくなるため、主働筋に最大張力を
 かける事ができなくなるのです。

 余談ですが、トレーニング効果を高める(強度を上げる) ために 叫び声 を
 あげてウェイトを持ち挙げる事が多いと思いますが、叫び声をあげている時は
 筋肉に意識ができなくなります。

 S I H I T 法でトレーニングを行いたい方は、ウェイトを上げる時や、
 引っ張る時に、一瞬の叫び声(ハッ) なら問題ないのですが、引き伸ばし
 ながら叫ぶような声(ンガ〜) を出すと、意識ができなくなる事により
 神経インパルスの発火頻度が低下するため、十分な随意最大収縮が
 行えなくなりますので、注意してください。(笑)

 また、高回数で行うトレーニングにおいては、1セット中 (仮に30回、挙げる
 事ができる重さで行っているとします) の、はじめの5レップス位までは、
 遅筋線維が使われ、6〜15レップスくらいでは中間筋が加わり、16〜30レップス
 では速筋線維が動員される、 なんて話も聞きます。

 つまり、だんだん力の強い筋線維が使われていくなどと推測されているようですが、
 バリスティックトレーニングと同様、目標設定回数を 4〜6回 にする
 トレーニングを行うだけで、この原理は通用しなくなります。

 参考までに、バーベルシュラッグ という、そうぼう筋を鍛えるための運動種目
 がありますが、このバーベルを引き挙げる時の動作時は遅筋線維が使われ、
 上で静止している時は速筋線維が使われ (ですから上で静止している時は
 楽なのです)、 下ろす時も速筋線維が使われます。

 しかし、トップポジションで静止しているのではなく、S I H I T 法によって
 トップポジションで止めずに、ずーっと より上に引き挙げ続けている状態
 (コンセントリックな収縮状態) の時は遅筋線維が使われます。

 けれども、それも 4〜6回 しか挙げる事のできない目標設定回数の運動に
 する事によって、この原理も崩れ、1レップス目から遅筋と速筋の両方が同時
 に動員されます。

 からだのしくみって本当におもしろいですよね。

 ですから賢くトレーニングを行わなければいけないのです。

 いけないというのは、例えば1年間に得る事ができる筋肉の 
発達速度 
 遅くなってしまい、アスリートにとっては 
無駄な時間の浪費 をしてしまう
 からです。

 ですから自己満足トレーニングではなく、結果を得るための最も効率的な
 トレーニングを行う必要があるのです。

 あるデータでは、ボディビルダーは、実はあまり速筋線維は発達しておらず、
 遅筋線維の肥大が目立つと書かれています。

 また、EMGによって、あるマシンが、ある特定の筋肉をどのくらいの割合で
 使用しているかというデータが出るという優れもの(?) がありますが、
 どちらも 大きなミス があります。

 それは、それらの実験の被験者です。

 両方とも世界のトッププロボディビルダーであるドリアンイエ―ツや
 ナッサ―エルサンバティ、 ロニ―コールマン、 クリスカミア、 ジェイカトラー
 などを使っていないですよね。

 目的意識がはっきりとした同じレベルの選手で、同じようなハイレベルの
 ハングリー精神を持ち、しかもトレーニングフォームや意識の仕方、効かせ方
 などの要領がよくわかっている玄人(くろうと) を被験者として使わないと
 全く異なったデータが現れてしまうのです。

 いつも決まって被験者は一般人や大学生、または野球選手やアメフトなどの
 一流アスリートと呼ばれるような方達が登場しますが、それでは本当の意味
 での 正確なデータ はでないのです。

 なぜなら皆、レジスタンストレーニングに対する要領 (力の入れ方、出し方)
 を知らない、または不慣れなため、被験者間に大きな差が生じてしまいます。

 いくら単純な動きをするマシン (レッグエクステンションやレッグカールなど)
 を使った実験だとしても、ちょっとした力の入れ具合(癖など) で全然異なった
 データが出てしまうのです。

 つまり科学は、普遍的なものでは無く、絶対的なものでもありませんから、
 あまり必要以上に数ある情報に惑わされないよう心がけ、楽しく自身の
 身体的能力の向上のためのトレーニングを摸索していって下さい。

 このように原理、原則、定理、定説、常識、一般論、科学的データや情報でさえ、
 日進月歩で、たえず変化して行くものですから、いくらでも抜け道があり、また
 くつがえす事ができるのです。

 「私は速筋が少ないから、遅筋が多いからなかなか筋肉が発達しないのかもしれない」

 などと言っていないで、貪欲に、ありとあらゆる知識と経験を積み重ね、
 初心の気持ち を忘れる事なく、自身が最も理想としているフィジーク(体形)
 を常に頭に描き続けながら、よりステップアップした ボディビルディング ライフ
 を築きましょう。

 今はまだ 仮の姿 なのですから....

 素質は努力と工夫、経験を繰り返し、後天的に自ら作り上げる事ができるのです!


 素質(先天性の) なんて クソくらえ!!  です。


 どうでしたか? 

 このようなお話が少しでも皆さんのトレーニングのお役に立てれば幸いです。






          

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